アプロ君のここに注目;日・米 株価の同時急騰

周知のように、コロナ禍で実体経済が依然厳しい状況に追い込まれている中、株式市場の動きが注目を引いています。

日経平均株価が6日に続いて10日も一時29年ぶりの高値をつけ、そして今日ついに、終値で東証平均株価が2万5千円台まで上昇したのです。
これは、1991年のバブル崩壊後における29年ぶりのことです。

マスコミ報道によると、米国のニューヨーク市場における一連の高騰の流れを受けたものだとしていますが、ニューヨーク市場ではダウ平均が一時、上げ幅が前週末終値に比べ1600ドルを超えて2万9933ドルに達し、今年2月につけた取引時間中の最高値である2万9568ドルを上回ったのです。

この流れを受けて、日本でも東証株価が3日間で1100円も値上がりし、先週の4日以降はついに29年ぶりの高値にまで上昇したのです。

日、米におけるこの一連の株価の上昇について、先週はアメリカの大統領選挙が混迷するなか、議会上下院のねじれにより増税や規制強化などが難しくなるとの見方が市場では強く、これが好感したと解釈しているのです。

これに対して、直近のニューヨーク市場の急騰は大統領選挙で民主党のバイデン候補が勝利を確実にし、大統領選に関する不透明感が和らいだことや、新型コロナウイルスのワクチンへの期待などから買い注文が先行したことによるとその要因を説いています。

しかし、この一連の株価の動きを見てみると、不可解な点もなくはないのです。
大統領選挙が混迷している最中の上昇は,本来なら見極め相場になるのが一般的で、急騰は普通は考えにくいことです。
その後、一転して大統領選挙がある程度決着がつきバイデン氏の勝利というながれになると、以前の不透明感が和らいだとして、それを好感するような形でまた上昇するといった相場の展開になっているのですよね。

ちょっと不可解に思えませんか?
そのような不可解な米国の株式相場の流れを受けて日本でも株価が急騰しているのです。

要するに、ちょっとした好機をねらって待機している過剰流動性が常に存在しているということだと考えられます。
以前のブログでも言及しましたが、要するにコロナ禍の金融緩和政策により、大量の通貨が市場に出回り、実体経済が不況のため行き場を失ったじゃぶじゃぶ状態の「おカネ」が一気に株式市場に流れ込んだことが、直接的な要因だと考えられます。

そういう意味では、今の相場は確実に「金融相場」だと言えますね。
すなわち、実体経済とかけ離れた相場が形成されていて、不安定要素を抱えた上げ下げの繰り返しが頻繁に行われる相場と言えるでしょう。
事実一日の上下変動幅が結構大きく、不安定な動きを見せているのが特徴なのです。
ある種、これはバブル相場の様相を形成していると言っても過言ではないでしょう。

大統領選挙結果の余韻が残っている間は上昇局面を維持するかもしれませんが、ちょっとしたきっかけに、今度は急激な下落が起こりえることも十分考えられます。
米国、日本ともどもコロナウイルス感染が再拡大している中で、株式相場に刺激をあたえかねないことも念頭におくべきでしょう。

決して楽観は禁物ではないでしょうか。
いずれにしても、今後の株価の動きが大変気になるところですね。

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