アプロ君のいちからわかる経済教室(4)貨幣の本質
前回まで私たちの生活は商品経済でなりたっていることをお話してきましたが、商品交換はすべておカネを仲介しておこなわれているのは言うまでもないでしょう。
そこで、これからは商品交換の仲介者としてのおカネについてみていきます。
経済学ではおカネを貨幣と呼んでいます。
では、その貨幣とは何か、どのようにして生まれ出てきたのか、そしてその貨幣は私たちの生活においてどのような働きを果たしているのかについてお話したいと思います。
私たちの生活においておカネは欠かすことの出来ないものです。それは商品経済において必要とする物品やサービスは全ておカネで購入することが出来るからです。
おカネさえあれば何でも自分のモノに出来るのです。
人間の運命さえも変えることの出来る神秘的な存在と言っても過言ではないでしょう。
当たり前の話ではありますが、よくよく考えてみると、ではどうしておカネはそのような神秘的な力をもっているのかあらためて考えてみると、そう簡単に答えは出てこないものです。
そこで、まずおカネとは何か、いかにして生まれ出てきたのかを簡単にまとめてみたいと思います。
私たちの生活は交換を通してなりたっていると言いましたが、交換社会の当初は交換行為が物物交換でおこなわれていたのです。例えば、靴とコメがある一定量に基づいて交換されるというようなかたちで、ある意味では偶然な交換であったのです。
交換行為が広がるにつれ、多くの人が日常生活に必要な物を頻繁に交換するようになり、それがある段階では人々が生活するうえで必要とするある物とまず交換したあとで、その物を交換手段として他の必要な物と交換するようになったのです。
そうなると、その物はすでにおカネのような役割を果たしていると言えます。物品貨幣たるゆえんです。
この物品貨幣は地域ごとに違いがあって、ある地域では塩だとかコメを交換手段として利用したところもあったようです。
昔はよく貝を交換手段として利用していたとも伝えられています。
余談ですが、この貝にまつわる漢字で富をあらわす漢字が多々あるのはこのような由来があるからです。例えば財産、貯蓄、購買などの漢字はすべて貝という一文字がついているのがわかりますよね。
このような物品貨幣が最後には金(きん)にたどりついたのです。
金というのはおカネとしての役割を果たすうえでもっとも適していたからです。金は質的に均一であり、変質しないので半永久的に保管可能なのです。また、少量で大きな価値をもっているので運びやすく、高価な物の値段を表すことも容易に可能だったのです。このような金の性質こそおカネとして機能するうえで最適だったのです。
金という字はカネと読みますが、おカネという由来は金がおカネの役割を果たしていたからなのです。
こうして金がおカネとして、あらゆる物の値段(価格)を表すことや交換手段として利用するようになってはじめて貨幣としてこの世に生まれ出たのです。
このようにおカネ、すなわち貨幣はあらゆる商品の価格を表し、商品の交換を仲介する一般的等価物としての特殊な商品と言えます。
要するに貨幣も商品ということです。一般的等価物としての特殊な商品なのです。
そういう意味では人間の社会的な行為によって神秘的な力が与えられ、あらゆる物と交換できる力をもった存在としておカネ(貨幣)がこの世に生まれたといえるでしょう。
それではそのおカネ、すなわち貨幣は私たちの生活のうえで具体的にどのような働きをしているんでしょうか?
その点については次回続けることにします。


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