出生数と人口減に思うこと

先日、総務省は昨年10月1日現在の人口推計を公表しましたが、それによると日本人の人口は、前年比48万7千人減の1億2373万1千人で、9年連続の減少になったそうです。

一方、厚生労働省は昨年の一年に生まれた日本人の子供は86万4千人で、統計を取り始めた1899年以降はじめて90万人を下回るとの見通しを公表しました。
これは前年より5万4千人少なく、親になる世代の人口が減っていることが大きく影響していると言われています。

ある専門機関によると90万人を下回るのは2020年と推計しており、見通しを上回るペースで少子化が進んでいることになります。

また、人口動態統計の年間推計によると死亡数は、戦後最も多い137万6千人(前年比1万4千人増)で、出生数から死亡数を引いた「自然減」は51万2千人になり、はじめて50万人を超える見通しを公表しました。
少子化と人口減の同時進行がくっきりと示されたものと言えます。

出生数が最多であった1949年(第一次ベビーブーム)に269万人であったのが、第二次ベビーブームの1970年代前半以降、出生数は減少傾向が続き2016年から100万人を下回っており人口の自然減は13年連続になるとのこと。

当初の推計より早いペースで出生数が減ってきており、2015年に1億2700万人だった総人口は2029年に1億1千万人台、2042年に1億人台、そして約30年後の2053年には9千万人台になる見通しを超えるペースで人口減が進む可能性が出てきていると思われます。

専門家によると、出生数は今後50年は続く見通しだと強調しています。そして子供への政治や企業の関心が薄まり、子育て支援サービスの質と量が低下し、さらに少子化が進む悪循環が懸念されています。

このような出生数と人口減の加速は、未婚率増加や晩婚化、結婚や子供を持つことに対する価値観の変化、出産や育児などの環境の未整備、子育てへの金銭的な負担等々のいろんな原因があると思われます。
とりわけ、雇用環境の変化や若者の結婚と子育てに対する不安が横たわっていることが大きく作用していると思わざるをえません。

そういう意味では、これらの問題を早急に解消していく施策が政治的にも社会的にも要求されていると思います。

もし出生減に歯止めがかからなければ、人口は下げ止まらず減り続けるしかないので、いま有効な手立てをとらなければ深刻な事態を招くことになると憂慮せざるをえないですね。

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