政府の生活支援策、もっとスピード感あるものに

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周知のように、物価高や増税などにより生活苦が増している昨今ですが、光熱費や食料品などの値上がりが10月に入ってもあとを絶たないようです。
そん中、政府与党や野党間での生活支援策がにわかに注目をひいています。
そこで、国民にとって今、何がもっとも必要としているのか私なりの考えを述べてみたいと思います。

・物価高と増税の二重苦

値上げラッシュによる物価高は依然おさまる気配がないことは言うまでもないのですが、円安によるガソリン価格の値上がりや、大手10社が10月請求分からの値上げ、そして都市ガスも大手4社がすべて値上げされました。そん中、原材料高の影響をうけて10月には食品などをはじめ4,500品目超の値上げがされているのです。

物価高だけではなく、増税による負担が追い打ちをかけているのです。
所得税や法人税、消費税などの税収は増え続け、昨年度の国の一般会計税収は3年連続で過去最高を記録しています。

このように、物価高や増税により国民の生活は一層疲弊しており、世間からは賃上げや減税を求める声が高まっています。
このような状況を反映してか岸田内閣の支持率が日増しに落ち込んできているのです。
ちなみに、NHKの世論調査によると、7月以降内閣の支持率が下がり続けており、この10月には「支持する」が36%、「支持しない」が44%と不支持ががぜんと上回っており、発足以来過去最低にまで落ち込んでいます。「支持しない」理由についてみると、「政策が期待できないから」が56%、「実行力がないから」が20%と、現政権のの政策に対する不満が浮き彫りになっています。
このような事情が反映してか、国民の生活支援策に対する議論が与党や野党から突然のように巻き起こってきたのです。

・減税による支援策の弱点

さて、その生活支援策ですが、今議論されているのが補助金や現金給付、そして減税が主な中身なのです。
岸田首相は始まったっばかりの国会の所信演説で、所得税の減税と低所得者層に対する現金給付を新たな経済対策として表明したのですが、所得税減税に対してはどうも来年夏のボーナスに間に合うように施行するという考えのようです。
減税を行うためには法改正などが必要になり時間がかかることは当然のことですが、それにしても来年夏まで実施すればいいという目論見はいかがなものかと首をかしげてしまいますね。国民の生活が疲弊しており、今日にでも助けを必要とする国民が少なくない状況で、来年夏のことを話してどうするのって感じですよね。
現実を知らなすぎると言うか、あまりにもスピード感がなさすぎるのには驚きを覚えますね。
かつて岸田首相は「スピード感をもって山積みする課題に取り組んで行く」と常々言われてきたのを考えると、なんて「のんびり」した姿勢なのか呆れるほどですね。

・スピード感ある生活支援策の選択肢

支援策をスピード感あるものにする選択肢としては、賃金の引き上げや現金給付、補助金の拡充ではないでしょうか。
昨今、「最低賃金の引き上げ」が取り沙汰されていますが、名目賃金が上昇していても物価高の上昇に追い付かず、実質賃金は下がり続けているのが現実です。そういう意味では、物価高以上の引き上げが前提になるでしょう。
この場合、ネックになるのは「130万円の壁」と言われる社会保険の扶養に入れる年収基準の問題があるのですが、この年収基準もセットで検討すべきではないでしょうか。
働き手不足が社会的に問題となっているだけに、雇用の確保という視点から考えても必須の課題ではないかと思われます。

補助金については、政府はガソリン価格の高騰を受けて補助金の延長などを表明していますが、175円台を目標とすることへの疑念もあり、少なくても去年の160円台にまで引き下げる対策が必要ではないでしょうか。

即効性からすれば現金給付がもっとも適した支援策でしょう。
ただ、問題は現金給付の対象をどのように線引きするのかということがありますが、これに関しては様々な意見があるようです。
政府はすでに非課税世帯への給付を表明していますが、野党の中にはもう少し対象を広げるべきだとか、一律にすべきという見解もあるようです。
コロナ禍の経験も踏まえ、経済全体へのインパクトも考えるならば、もう少し幅広い給付を検討する余地は十分あるのではないでしょうか。

いずれにせよ、国民生活全体が疲弊してきており、困窮世帯が増えてきている現実を前にして、生活支援が半年後に及ぶようなことでは国民の納得は得られないでしょう。
緊急性が増しているだけにスピード感ある生活支援策が不可欠と思われます。



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