史上最高値に接近、金価格の高騰

世界中がコロナ禍で大きな経済的痛手を負っている最中、金価格の高騰が注目を集めていますね。
先日の7月8日のロンドン市場で、金の価格が1オンス=1800ドル台まで上昇したのです。
日本でも1グラム=6894円で取引されたようです。

1オンスは約28.35グラムなので、計算しなおしますとほぼ同じ価格になります。
このように、世界的に見て今、金価格が高騰しているのです。
これは、ユーロ危機が深刻化した2011年11月以来の高値なんです。
ちなみに、金価格の史上最高値は、2011年11月につけた1オンス=1,930ドルなので、ほぼその水準にまで上昇していると言えます。

これを上昇率でみると、今年前半で17.4%の上昇になります。これは、他の資産に比べてダントツの上昇率です。
周知のように、米国株が比較的堅調だと言われていますが、ハイテク株中心のナスダック総合指数の上昇率は12.1%なので、それより5ポイントも上回っているのです。

今年の前半と言えば、新型コロナの影響で市場が大きく荒れた時期でありました。
日本の株式市場でも暴落を繰り返し一気に値を下げました。
ここへ来て、かなり取り戻してきてはいるのですが、それでも日経平均株価は、今年の前半期でみると、マイナス5%なのです。
いかに金が突出して堅調に推移しているかわかりますよね。

では何故、今、金価格が史上最高値に迫る勢いで高騰しているのでしょうか。

まず第一に考えられるのは、コロナの影響により経済の先行き見通しが取れない状況の中で、投資家の安全資産への逃避意識が高まっている結果と考えられます。

第二に、経済の落ち込みや企業の資金繰りを支えるため、政府や中央銀行が大量の資金供給を行ったことで、急落した株価はある程度まで戻ったのですが、その一方で金利も低下し、これが金価格の上昇をもたらしていると言えます。つまり、安全資産としての金は金利がつかないので、金利の低下により相対的に金の魅力が高まっているのです。

第三に、世界的に中央銀行の大規模な資金供給や、それに伴う債券利回りの低下により、金とともに比較的に安全資産とみなされている債権のリターンが、今後は期待出来なくなっていることも関連していると思われます。

第四に、中央銀行による大量の資金供給により、将来のインフレリスクが高まっているとの見方から、インフレリスク回避の動きが強まっていることによるものと考えられます。つまり、インフレ率が高まれば、金以外の資産や通貨の価値が低下し、逆に金の価値が上がることになるのです。

一般的に、低金利が続き、インフレ懸念が強まる状況下では、金が上昇する傾向が強まると言えます。

コロナショックにより、世界の国々で政府や中央銀行は、今後の経済見通しが取れないまま、当面は資金供給を膨らまし、低金利政策を維持せざるを得ない状況のもとで、当面として金市場はその恩恵を受けることになると考えられます。

皮肉なことかもしれませんが、コロナの影響が長引くなかで、金への関心はこれまで以上に高まっていくことが予想されますね。

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