2万3千円台の株価の回復、はたしてこれからは?
日経平均株価が3ヶ月半ぶりに2万3千円台を回復しましたね。
新型コロナの感染拡大前の水準に戻ってきたようです。
年初来安値が3月19に付けた1万6358円だったので、それに比べると約7千円、ほぼ5割の急騰と言えるでしょう。
経済面でみると、「コロナショック」はこれから一層表面化するのではないかと懸念されているいるわりには、株価の回復が意外と早いように思えるのですが。
ちなみに、年初来高値を付けたのが1月19日の2万4,115円なので、それに近づく勢いですね。
その要因としては、停滞している経済が想定以上に早く回復するのではという期待に加え、金融緩和マネーが先行き不透明な実体経済のなかで設備投資は控えられ、もっぱら株式市場へ流れていることが考えられます。
いわば「不景気の株高」なのです。
本来、株価は基本的に実体経済を反映して変動するのが普通であって、現時点での経済状況や先行きの経済を先取りするように変動するものです。
ところが、今の株式市場を見ると、どうもそのような動きとは違うように思えてなりません。
と言いますのは、現時点での状況はどう見ても景気が良いとは言えないし、先行きの見通しも全く不透明としか言いようがないですね。
コロナの問題にしても、第1波の経済的被害もさることながら、今後は第2波、第3波の襲来を警戒して、企業は投資を控え、家計は消費を抑えるといった慎重な動きをみせていて、とても急速な景気回復は見通せない状況にあると言わざるを得ません。
ところが、株式市場ではそれとは裏腹に「急速な回復」ぶりをみせているのです。
これには頭をかしげてしまいます。
私にしてみれば、異常な金融緩和により膨張した金融マネーが行き場を失い、割安になっている株式市場へと流れこんで出来上がった一時的回復としか思えないのです。
そうであるならば、まだ正常な回復には至っていないと考えるしかないのであって、今後、株価は乱高下を繰り返しながら推移していくことが推測されます。
場合によっては、1万円台へ再び割り込むことも十分にありえるのではないでしょうか。
上がれば下がり、下がれば上がることは株式市場では世の常と言われていますが、今後、波乱の展開になるのは間違いないと考えるのが妥当ではないでしょうか。
経済の先行きを見通す意味においても、今後の株価に注目したいですね。
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