高市政権発足後、円安に拍車がかかっていますが、今後円安はどこまで進むのか関心を呼んでいます。昨今の物価高が円安の進行に端を発しているだけに円相場の今後の行方が気になるところです。そこで、円安の原因と今後の見通しについてわかりやすくまとめてみましょう。
・円相場の変動要因
まずは基礎的な問題を確認しておきましょう。
円安とはドル・ユーロなどの諸外国通貨に対して円の価値が低くなることを意味します。円高の場合はその反対です。
例えば、1ドル=100円だったのが1ドル=110円になった時、円安・ドル高(ドル高・円安)になったと表現します。1ドルが100円で買えていたのに、1ドルを買うのに120円必要になったと解釈すれば理解しやすいでしょう。
では、円安になる原因は何か。簡単に言えば、買われた通貨が高くなり、売られた通貨が安くなるというのが為替相場の仕組みで、つまり、円安の原因は、様々な要因によって円が売られたからなのです。
円安を引き起こす要因には様々なことが考えられますが、まずは金利差の問題があります。
諸条件が一定の場合、日本の金利が下がると円安になるのです。なので、対ドルについて言えば、逆にドルの金利が上がると円安(ドル高)になります。
また、景気にも左右されます。日本の景気が悪くなり、逆に米国の景気がよくなると円安・ドル高になります。その他、政治的な出来事や、日・米要人の発言などによっても円相場は変動します。為替相場について円高時に警戒感を発する発言などによって円安を引き起こすことが度々あります。
・円安の影響
それでは、果たして円安は日本経済にとってメリットとデメリットのどちらが大きいのでしょうか。
円安のメリットとして考えられるのは、海外の人たちにとって日本の商品が安くなるため売れやすくなり、輸出企業に有利な状態になります。つまり、輸出企業の価格競争力が改善し、輸出量が増えることによって、輸出企業の利益増をもたらすことや、海外現地法人の利益の円換算額の増加に繋がります。
また、昨今の海外の訪日観光客が増加している状況からわかるように、海外から見た国内物価が割安になり、海外観光客が増えるなどサービス輸出の増加をもたらします。
円安は日本の通貨価値の下落によりデフレ圧力が緩和されることも考えられます。以前、アベノミクスという言葉がはやり言葉としてたびたびニュースに取り沙汰されるようになりましたが、アベノミクスの経済政策はデフレ脱却のための円安誘導政策として評価されています。
円安のデメリットとしては、円の価値が低くなるため、輸入価格が高くなり物価が上昇し、インフレ懸念が出てくることや、消費者の購買意欲が低下することが考えられます。
また、輸入価格が高くなり海外から資材を輸入している輸入企業の業績を圧迫します。
その他、海外への渡航が割高になり海外旅行への意欲の低下をもたらします。
このように、円安にはメリットとデメリットの双方があるなかで、日本にとっての円安がトータルとしてどう評価すべきかという問題があります。
これは、日本経済の現状を踏まえ判断されるべきと思われますが、GDPのほぼゼロ成長や、輸入企業や輸出企業の企業間格差、実質賃金の低下など輸入インフレによる消費者マインドの悪化等々を総合的にみると、現状ではこれ以上の円安が続くと経済全体への弊害がより大きくなることが考えられるのではないでしょうか。
・円安の行方
さて、では今の円安はいつまで続くのかということですが、高市新政権が発足した以後、円安に拍車がかかっていることは周知の通りです。
高市政権が発足した直後の円相場は1ドル=151円(10月21日)だったのが、11月20日には157円台まで円安が進み、現在150円台後半で推移しています。要するにこの間に約5円~6円、3%も円安がすすんだことになります。
これは、主として「アベノミクス」の継承として、高市政権の財政拡張と金融緩和路線が材料視されていると見られているようです。
日銀の利上げに対するけん制を行う一方で、物価高対策をはじめ21兆円規模の大型経済対策を打ち出すなど、今後も高市政権の積極財政やインフレ容認姿勢が市場で意識され、ドル高・円安が進みやすい状況となっており、財政拡大による日本国債への信認低下や、国内債券市場の不安定さが要因となり、為替市場でも円相場の不安定となるリスクを高めています。
今後の為替市場の行方を考えるうえでは、日銀の利上げペースや米国FRBの利下げ見通し、しいては日中関係の行方などが大きな要因として作用すると見受けられますが、とりわけ、金利面では日銀が来年1月までに短期金利を0.75%まで引き上げるとの見方が広がっている一方で、FRBは利下げペースを緩める見通しで、結果として日米金利差は徐々に縮小するものの急激な変化は想定しにくく、ドル円は一方向に大きく動くよりも155~160円を中心としたレンジで展開する可能性が高いと思われます。
日中関係については、直近の日中緊張が長期化すれば日本経済には輸出・インバウンドの双方でマイナス影響が及び、GDPを0.5%押し下げる可能性も指摘されており、これが円安を後押しすると考えられます。
ただ、地政学的なリスクの高まりや経済対策の効果次第では、それ以上の変動幅で動く局面も考えられるでしょう。ちなみに、民間予測では2026年の平均で154~164円程度と緩やかな円安傾向が続くとの見方が大勢のようです。
いずれにせよ、今後、当面としては円安傾向が続くと予測され、物価高など国内経済への影響が懸念されます。
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