直近の株価が5万8千円台の大台を推移しているのを見ると、日本の景気はそんなに好調なのかと思ってしまいますが、方や物価高騰で消費者の財布の紐は固くなり、企業倒産も拡大傾向にある経済実体に目をむけると、はたして景気は一体どうなのか考えさせられます。
今回は現在の景気をどう判断すべきかまとめてみましょう。
・景気とその見分け方
景気とは企業活動や消費行動など経済活動全体の勢いの状態のことです。モノやサービスがよく売れて企業の収益が上がる状態を「好景気」、「好況」といい、逆に売れ行きが落ち込み、消費が停滞する状態を「不景気」、「不況」といいます。
景気は常に上昇し続ける事も、逆に下降し続ける事もなく、好景気と不景気を繰り返しながら変動するのが一般的でこれを景気循環といいます。
好景気には企業活動が活発になり企業の利益が増加することや、雇用が増え労働者の賃金も増加し消費が伸びることが特徴的に見られます。逆に不景気になると企業の業績悪化や利益の減少、雇用の縮小や消費が停滞しモノが売れなくなることや、企業倒産や失業が増えることが特徴として現れます。
景気動向は、一般的に「GDP成長率」や「有効求人倍率」、株式相場などの景気指標を総合して判断されます。政府においては「景気動向指数」、民間においては「景気ウォッチャー調査」や「GDPギャップ」などが利用されることが多いようです。
いずれにせよ、景気は一国の経済状態を示すバロメーターであり、私たちの生活に直結している重要な経済指標と言えます。
・景気の現状
さて、このように景気とその見分け方からして、現在の景気はどう判断すればよいのでしょう。
先述したように、直近の日経平均株価がうなぎ登りのように上昇しているのですが、日本の景気を反映したものかどうかは疑問の余地があるようです。
そこで、いくつかの景気指標として代表的なものを取り上げてみると、内閣府が昨年10月に発表した8月の景気動向指数によると、現状を示す「一致指数」(2020年=100)が113.4となり、2か月連続で悪化しています。
また、昨年12月に内閣府が発表した7~9月期のGDP成長率は、実質で前期比0.6%の減少、年率換算で2.3%の減少となっており、実質ベースではマイナス成長に転じているのです。
GDP成長率は、昨年の3四半期全体でほぼゼロ成長やマイナス成長に落ち込んでいる状態が続いています。最終的な今年度(2025年度)の成長率はまだ示されていませんが、ゼロ成長もしくはマイナス成長、良くても1%以下の低成長予測が大勢のようです。
実体経済を見ても、中小企業の企業倒産が過去最高を示していることや、物価高の中、実質賃金が下がり続けて消費の落ち込みが浮き彫りになっている状況からして、景気が勢いついているとは到底考えられないでしょう。
企業や消費者の実感としても、株高とは裏腹に景気が良いとは決して言いづらく、総じては、不景気の最中で苦しい経済状況におかれているといっても過言ではないでしょう。
ちなみに、1960年~70年代の「いざなぎ景気」の成長率は毎年10%を超えていたので、成長率がプラスであっても1%以下の成長率では好景気の実感はほぼ感じられないのは当然なのかもしれません。
・今後の見通し
国別にGDP規模でみると、1位は米国で2000年代に急成長した中国が2位に付け、ドイツが3位で続きます。日本は2000年代まで世界第2位経済大国の地位を守っていましたが、2010年に中国に抜かれて3位に転落した後、23年にはドイツにも抜かれて第4位に、そして26年にはインドにも追い越されて後退すると見込まれています。
これを一人当たりの名目GDPで見ると、日本はなんと24位に後退している有様です。
バブル崩壊や少子高齢化、人口減少によって成長が低迷した「失われた30年」の影響が浮き彫りになっているようです。
さて、こうみると今後の日本経済の基礎的諸条件は大きく変わり様が見越せない状況にあり、昨今の「低成長」から大きく抜け出すことは至難の技と言っても過言ではないようで、実感できるような好景気はなかなか見い出せないのではないでしょうか。まして、人口減少が加速している中で、かつてのような経済成長を果たせるか、はなはだ疑問に思えます。
景気がよいことと国が順調に経済成長することの間には密接な関係があるのですが、経済成長は通常、経済統計の観点からはGDPの伸びを指します。このGDP成長率が低成長に留まるか、あるいはマイナスにも陥るような状態が今後も持続する可能性が高いことを鑑み、物価高の解消もさることながら、まさに「実感ありきの好景気」、「実感ある景気回復」を果たせるか、日本経済の前に立ちはだかる難題は決して少なくないようです。
こう考えると、株高とは裏腹に低成長の中で不況の状態が続く可能性が高いと見るのが妥当ではないでしょうか。
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