感染症とウイルスについての豆知識(2)
前回は感染症についてまとめてみたのですが、今回は感染症の病原体であるウイルスについて簡単に整理してみます。
ウイルスと言えば、以前からインフルエンザの流行時期によく言われてきましたが、実際にはよく理解していないのが現実ではないでしょうか。
とりわけ、細菌とよく間違えることが多いようです。
ウイルスと細菌、どう違うのでしょうか。
病原体のひとつである細菌は、一つの細胞しかない単細胞生物なんです。目では見えない小さな生き物で、栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことが出来るのです。
細菌は、ヒトの体内に侵入して病気をおこす有害な細菌もいますが、その一方でヒトの生活にとって有用な細菌も存在しています。よく言われている納豆菌など、ヒトの体には多くの種類の細菌がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っているのです。
病気をおこす有害な細菌としては、大腸菌や結核菌などがよく知られていますよね。
そして、その病気をおこす細菌を退治するための薬が抗生物質のような抗菌薬なのです。
ウイルスは細菌の約50分の1程度の大きさで、細菌に比べてはるかに小さく、自分で細胞をもたないのです。なので、他の細胞に入り込んで生きているのです。
要するに、ウイルスは単独では増殖できないので、ヒトの細胞の中に侵入して増殖するのです。
ヒトに病気をおこすことがあるウイルスとして、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどがよく知られていますよね。風邪もさまざまなウイルスが原因なのです。
ところが、ウイルスは大きさや仕組みが細菌と異なるため、抗生物質などの抗菌薬は効かないと言われています。なので、抗菌薬とは違った抗ウイルス薬が必要になるのですが、残念ながら抗ウイルス薬はまだ少ししか開発されていないのが現状なのです。
また、インフルエンザやポリオ、おたふく風邪、日本脳炎などのウイルスに対してはワクチンの予防接種で予防できますが、さまざまな深刻な感染症のウイルスについては、開発中と言われています。
今回の新型コロナウイルスもその一つです。
新型コロナウイルス渦で、世界中がワクチンの開発に取り組んでいますが、早くて1年から1年半はかかると言われています。また、抗ウイルス薬についても開発が進んではいるようですが、まだ臨床実験の段階なのです。
一刻も早い抗ウイルス薬やワクチンの開発を期待したいですね。
それと同時に私たち自身も免疫力、抵抗力を高めるためにバランスの良い食事や適度の運動などを心がけることも忘れてはいけないと思います。
出口のないトンネルはないように、必ず新型コロナウイルスから解放される時が来ると信じてやまないですね。
みなさん、「ステイホームウイーク」を頑張りましょう!
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