「値上げラッシュ」と「賃上げラッシュ」

今年に入っても「値上げラッシュ」は留まる気配が見えませんね。
2月、3月にかけて食品値上げが続いていますが、4月にもまた再度の値上げが予想されているようです。こんな調子では物価はますます上昇するばかりで、生活への負担は限界にきているのではないでしょうか。
そんな中、この春のいわゆる「春闘」における賃上げが注目を集めていますね。

大手企業をはじめ、続々と賃上げを表明する企業が増えていますが、今年の春闘は例年になく高いベア目標を打ち出しているようです。
とある研究所の「賃上げに関するアンケート」によると、今年の賃上げ見通しを平均で2.75%と、前年を0.75ポイント上回っているようです。他の専門機関でも大体2%台後半の賃上げ率を想定しているようです。ちなみに、前年の実績は2.2%でした。
もし、2.7%~2.9%の賃上げが実現すれば、この賃上げ率は1997年以来26年ぶりの高水準になるようです。ここ数年間みられなかった異例の高水準は、やはり昨今の物価の上昇に主な理由があるのは否めないでしょう。

ただ、問題はこの程度の賃上げ率ではたして事実上の生活改善がみられるのかということです。
総務省が発表した昨年12月の消費者物価指数は前年同月比で4%増、そして今年1月も同4.3%と40数年ぶりの上昇率となっているのです。
先ほども言いましたが、2月、3月に続き4月も「値上げラッシュ」が予定されているようで、消費者物価はまだまだ上昇する可能性が高いようです。

そう考えると、4%以上の賃上げが伴わないかぎり、名目賃金は上がっても実質賃金の上昇にはならないと言えるでしょう。足元のインフレを考慮すると2%台の上昇でも十分とは言えないのです。
5%~10%レベルの賃上げを表明している一部の大企業を除いては、賃上げ率が消費者物価の伸びを下回る公算が大きいとみる向きが大勢のようです。

26年ぶりの「賃上げラッシュ」とは言っても、「値上げラッシュ」に追っつかないのが現実のようで、生活改善までには至らないと言えるでしょう。

 

 

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