アプロ君のいちからわかる経済教室(3)人間労働と商品価値

前回、私たちは日常生活において物やサービスを商品として買う行為から始まること、そして商品交換は一定の価格に従って行われていること、その価格は買い手と売り手の関係、すなわち需要・供給によって決まることが明らかになりました。
では一体、その価格の中身、内実は何かが解明されなければならないでしょう。

先にみたように一見、生活感覚としては財やサービスの有用性やそれを使用することによって得られる満足度(効用)によって価格が決まるかのように見えますが、それは客観性に欠けるのです。
財やサービスはそれぞれ違った使用価値があり有用性があるからこそ、その使用によって違った効用をもつのです。その違いがあるにもかかわらず、それがある一定の量的に同等なものとして交換されているのです。

だとすると、この同等とみなされている実体なるものは何かということです。

それは唯一、財の生産過程における人間の労力やエネルギーの産物という点です。
すなわち人間の一定量の労働が費やされているという点で、それぞれ有用性が違った財が同質なものとして交換可能性を持つことになるのです。
この人間労働こそが財やサービスのを提供する際のコストの内実なのです。

ある財についてみようと思うのですが、財のコストは基本的にそれを生産するのにかかる費用のことを意味します。ところが財の生産における費用というのは、結局は財を生産するうえで費やした人間の労苦やエネルギー、すなわち人間の労働に他ならないのです。要するに、財の生産にどれだけの労働が費やされたかによってコストが判断されるのです。したがって、このコストの内実はまさに人間の労働なのです。

経済学において、財の生産に費やされたこの人間の労働を価値と呼んでいます。すなわち財の価格の中身は価値ということです。
価格は価値を内実として、価値に基づいて市場におけるその時々の需要と供給によって実際の価格(市場価格)が決まるのです。
そういう意味では、価値が価格の名実であり、価格は価値の現象形態にほかならないのです。

以上のように、ある財やサービスの価格は人間の労働を実体(内実)とする価値に基づいて需要供給関係によって決まると言えるでしょう。

こうみると、人間の労働は自然経済であれ交換経済であれ、歴史上のどの社会制度においても、富の源泉として人間社会の源であったといえるでしょう。

このように現代社会は商品経済で成り立っており、その商品の交換は一定の価格に基づいておこなわれているということ、そしてその価格は価値を基準にして需要供給によって決まるのです。

そこで次に問題となるのは、実際の商品交換はすべて価格に基づいて一定のおカネで売り買いが行われているということです。言い換えればおカネを媒介物として商品交換が行われているのです。
ではそのおカネというのは一体何者なのかが解明されなければなりません。

これについては次回みていくことにします。

 

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