アプロ君のいちからわかる経済教室(1)商品経済

2022年4月6日

さて、今日から本題に入りますが、正直何から始めればいいのか迷うところですね。
と言いますのは、私たちの暮らしを取り巻く経済の仕組みについて、何からどうアプローチするのかという問題は、実は経済を知るうえで大変重要なことなのです。

入口を間違えれば目的地にたどりつけないように、経済という山に登りつけにするようにするには、やはりその入口を正しく見つけることが大事なのです。そうでなくても複雑に入り組んでいる経済という仕組みを把握するうえで、最初の一歩は正しい経済知識を育むうえで生命線でもあるのです。

そこで、この複雑に入り組んで成り立っている経済という山に対して、最初から複雑に絡み合っている仕組みを取りあげるよりも、それらを単純化して取りあげてみようと思います。複雑な事柄を抽象化するということです。
要するに、私たちの暮らしや生活は一体どのように成り立っているのかと問う場合、私たちの簡単な行動様式を思い浮かべてみてはどうかということなのです。
そうするとまず思い浮かぶのは、私たちが日常使っている生活物資は自分で作っているのではなく、企業や他人の作ったものを買うという行為を通してはじめて我が物として利用しているのです。勿論、すべての人が必ずしもそうとは言い切れないかも知れまでんが、いわゆる自給自足で生活をしている人は現代社会においては、ごく一部にすぎないのです。
すなわち、私たちの生活はすべて「物を買う行為」からはじまるのです。

だとすれば、私たちが生活を営むためには、物を買う能力が伴わなければならないということです。物を買う能力というのは、当たり前のことですが物を買う手段としてのおカネが手元になければならないということです。
おカネがなければ私たちは生活に必要な物をいっさい自分の手にすることが出来ないのです。

人類はかつて様々な社会制度に基づき暮らしを営んできたのですが、必ずしもおカネで買う行為が前提になっていたのではありません。
現代社会以前の社会における人々の暮らしは、すべて自給自足で成り立っており、物をおカネで買う交換行為は極一部で行われたにすぎないのです。つまり過去の社会においては自給自足によって生活することが基本でありました。これを「自給自足経済」、または「自然経済」といいいます。

ところが過去の生活様式とは違い、私たちの生活はとりあえずは一定のおカネで物を買うことから始まっているのです。
買う行為から始まるということは当然、売り手と買い手の関係が前提になるのであって、言い換えれば人々が使用する物やサービスは売る側(販売者)と買う側(購買者)に立ってお互いに交換しているのです。そして、その媒介手段がおカネなのです。買う側は物やサービスの値段(価格)に基づきおカネを支払い(支出)、反対に売る側は物やサービスを買い手に提供することによって代金分のおカネを受け取る(収入)のです。

このように現代社会における私たちの生活をわかりやすく簡単にみると、必要とする物やサービスを互いに売り買いしながら成り立っていると言えるでしょう。
そういう意味で現代社会は「交換社会」であり、「交換経済」と言えます。

現代社会において私たちの生活はすべて交換行為から始まると言いましたが、これはすべての物やサービスが交換を目的として作られているということでもあるのです。
このように交換を目的として作られ、他人に売ることを意図して提供されるものを商品と言います。
要するに、現代社会においてはすべての物やサービスが商品として作られているのです。
そういう意味で、「交換経済」はすなわち「商品経済」なのです。

それでは、この「交換経済」、言い換えれば「商品経済」において商品交換は、一体どのような仕組みよって行われているのでしょうか。

この点については、次回に続けてみたいと思います。

 

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