アプロ君のいちからわかる経済教室(5)貨幣の機能①

前回、おカネ、すなわち貨幣はあらゆる商品の価格を表し、商品交換を仲介する特殊な商品だということを確認しましたがもう少し立ち入っておカネの役割についてみていきましょう。

私たちの生活においておカネ(貨幣)の役割が絶大であることは、日々生活のなかで実感していることですが、一国内において貨幣の役割(機能)は大きく4つに分けることができるでしょう。

第一に、あらゆる商品の価値を測定する役割です。これを価値尺度の機能と言います。
商品経済において商品の交換が公正におこなわれるには、まず商品の価値が測定されなければなりません。商品の価値が正しく測定されてこそ商品の交換がスムーズにおこなわれるのです。その役割を果たすのが貨幣なのです。そういう意味では、この価値尺度の機能は商品交換のための第一次的でもっとも基本的な機能と言えます。

商品の価値を貨幣で表したものが価格なのです。それぞれ商品は価格表示がおカネの一定額でなされており、その価格表示(値段)に基づいて売買が成立するのです。

ところで、このことと関連して少し立ち入って探ってみようと思います。
商品の価値を貨幣で表したものが価格と言いましたが、実はこの価値と価格は必ずしも一致しているのではないのです。というのは、以前にもお話したように商品交換においては、ある商品に対する需要(買い手)と供給(売り手)によって実際の価格(市場価格)が決まるからなのです。供給に対して需要が大きければ価格は上がり、逆に需要が少なければ価格は下がることになります。
こうして、価値を基準にしながらも実際の市場価格は需要と供給によって常に変動しているのです。
そういうわけで価値と価格は一致することよりも、かえって一致しないことが日常的だと言えます。これを価値からの価格の乖離と言います。

貨幣の価値尺度の機能と関連して、もう一つ確認しておきたいのですが、商品の価値を貨幣で表すと言いましたが、この時おカネの分量をどのように表現し、度量するかという技術的な問題があるのです。

そもそも、おカネ、つまり貨幣は金(きん)でなりたっていることはすでにお話しましたが、この金の分量をどのように分けて商品の価値をあらわすかという問題が生じるのです。
そこで、各国ごと金の一定量を貨幣単位で規定して、その貨幣単位で価格を表したのです。
例えば、日本では円、米国ではドル、中国では元という貨幣単位で金の重量を表して、その貨幣単位で価格を表示しているのです。米国ではある商品の価格を何ドル、日本では何円というようにです。
このように価格を表すために使われる貨幣単位を価格標準と言います。

もともとは、金で商品の価格を表していたのが、今はすべての国がこのように一定の貨幣単位(通貨単位)で表し、その通貨(おカネ)で商品を買うようになっているのです。
私たちが日々使っているおカネ(日本では円通貨)というのはこのようにして生まれたのです。

第二の貨幣の役割、流通手段としての機能については次回にみたいと思います。

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