憂える出生率の低下

2020年9月19日

先日発表された厚生労働省の人口動態統計によると、昨年の出生率は1.36で大幅な低下になりました。
4年連続の低下で、1.4を割り込むのは8年ぶりだそうです。

この出生率は、1人の女性が生涯に産むと見込まれる子供の数を示す「合計特殊出生率」を表したもので、人口の維持に必要とされる2.07からさらに遠ざかっていることがわかります。
要するに、人口がますます減ってきており、人口減少が加速しているということを意味しています。
ちなみに、東京都は1.15で全国最低でした。

出生数でみると、昨年に国内で生まれた日本人の子どもの数は約86万5千人で、前年にくらべて約5万3千人下回り、統計がある1989年以降で最少となりました。
また、昨年の死亡数は戦後もっとも多い138万人にのぼり、出生数から死亡数を引いた自然減は51万人強となり、過去最大の減少幅を記録しました。

人口が引き続き下がり続けることは、けっしていいことではないように思います。
このような出生率の低下は、親になる世代の減少や晩婚化などがその原因と言われていますが、根底にはやはり経済的要因が強く作用していると思いますね。
日本でも格差問題や貧困化問題が取り沙汰されている昨今ですが、とりわけ雇用環境の悪化が深刻の問題として考えられます。

非正規雇用が急増していて、いわゆる「ワーキングプア」という年収200万円以下の世帯や未婚者が増えているのです。
そのことが晩婚化の増大や未婚者の増大を招き、それが結果として出生率の低下につながっているのではないでしょうか。

そのような現状に加えて、周知のようにコロナショックによる経済的、社会的影響を考えると、今年の出生率の一層の低下は避けられないと思いますね。
大変懸念されるところですが、出生率の低下と人口減少の同時進行が、当分のあいだは続くことが想定されます。
コロナの経済的影響いかによっては、人口減少のさらなる加速が起こりえることも否定できないでしょう。
今後の動向が気がかりですね。

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Posted by apurokun